いろんな素材を使ってものづくりをする身なので、文房具、道具のたぐいはつねに身のまわりにある。鉛筆、絵の具、スケッチブック、ペンチ、ハンダゴテ――作業用の道具は数えあげたらキリがない――などなど、作業や環境によって使い分けたり、もしくはたまたまその場にあったものを本来の意図とは違う方法で即興的に道具にして、作品に仕上げていったり (たとえば、ジェルネイルはドライバーの代用品になる)。ま、要は、使えるものはなんでも使ってきました。だけどそういうものをシェアしたいかと言ったら、そういうことじゃない気もします。
私がシェアしたいのは、それらを収納する道具袋の「松野屋のヘビーキャンバス ツールトート」。私が使っている S サイズは一番小さいけれど、どんな道具を入れても、どこに持っていっても、型崩れすることがまったくない。展覧会のインストールのためにニューヨーク、ボーフム、パリ、サンタンデールと移動中の今も、このバッグをスーツケースに入れて一緒に旅行している。現場では、ペンチ、カッター、接着剤各種、電材を扱う道具など、迷わずボンボン入れていく。ゆうに8キロを超える重さになってしまうから、他の袋だとすぐに穴が空いたり破れたりするけれど、このトートは大丈夫。10年くらい使い続けている。
先日、取材で珍しくメイクをしてもらうことがあった。メイクアップアーティストの鈴木さんが、もう一つ大きいサイズのこのトートに山ほどメイク道具を入れて登場したので、なんともいえない親近感を感じたのでした。