10代から20代にかけていただいた役のほぼ皆がローファーを履いている。
大人になり私服のシーンが増えて、長時間の衣装合わせに驚いたほど。
当時は制服とローファーを合わせることくらいしかやることがなかったのだ。
ローファーのみといえど、やりようはいくらでもある。
学校指定のものなのか、学校の紋章は入っているのか、
色は自由だけれどヒール高のあるタイプはNGという設定なのか、
はたまたローファーだけでなく、スニーカーで登校する子なのか、など。
私はその頃、役の足元を撮ることが好きで、
ローファーの種類や靴下の合わせ方が違うだけで、違う子であることが愛おしかった。
身長があまり高くはない私はバランスを合わせるために、ヒール高のあるローファーを使用することが多かったので、
社用車に積んでもらっていつでも取り出せるようにしていた。
一年ずつ年を重ねる度に、学生服を着る役は少なくなり、
ローファーは、車を買い替える時にお役御免となった。
何作、あのローファーを履いていただろうか。
毎日ローファーを履くことはもうないだろうけれど、
いつまでも覚えている自分の足に馴染んだあのローファー。
大人の一足ということで、憧れブランドのローファーを履き馴染ませてみようかしらん。