靴だけはいいものを履きなさいとはよく聞くけれど、私はいい靴を履きたいものの、例えばお手入れをきちんとすれば一生のお付き合いができる革靴となると、まずは幼少期から長年連れ添っている外反母趾の痛みに耐えなければならないという苦行が待っている。
小学生のときに他の子供達と足の形が違うことに気がついて、親に疑問を呈したのち病院に行き、遺伝性の外反母趾ですねと伝えられて終わった。母からの遺伝である。
私の場合、左足がひどい。足に合わない靴を履くとズキズキと痛み、その日の夜は必ず最新の外反母趾の手術がないものかと調べるけれど、いつも原始的なとても痛々しい手術法しか見つけられずあきらめる。悲しい。
そんな中、KATIMという日本の革靴ブランドを知った。デザイナーの小坂さんのつくる靴はとてもかっこよくて美しい。そして女性の足の健康を考えてくれている。
少しだけ左足が小さい私の形に合わせて小坂さんが独自にあみだした中敷きの入れ方を教えてもらったら、同じ靴とは思えないほど足によく馴染んだ。
いい靴を履くのも大事だけど、できることならその前にあなたの足の健康を知ってからと私は思う。
私はいい靴となるべくたくさん冒険をしたいし思い出を作りたいのだ。
おしゃれは我慢だというけれど、長く過ごす日常生活で、私は美しいも健康も両立したい。
たくさんの工夫と知識を織り交ぜながら素晴らしい商品を作ってくれるデザイナーさんたちには頭が上がらないし、感謝しかない。
私の生活を彩ってくれてありがとう。
12/ 2024