東京に仕事や遊びで行く時は、いつも同じ友人の家に泊めさせてもらっている。その友人は、買い物が好きで、行く度にクローゼットや下駄箱から服や帽子、靴などを出して見せてくれる。それは自慢的な感じではなく、自分が商品を作ったりしてるのも知っているので「もっとこんなん作らなあかんやろ」的なニュアンスで、参考資料として見せてくれる。友人と自分とでは、足のサイズや形に微妙な違いがあり、友人が履いてキツイと感じる靴が自分にはピッタリで、その新品の靴を「メルカリで売るより、けんちゃんに履いてもらった方が良いから」と言って、くれる。なので、この何年も彼から貰った靴を履き繋いでいて、自分では二年に一足ぐらいしか靴を買っていない。荒い履き方をするのもあって、クタクタになったその靴でまた数カ月後とかに彼の家に行くと「めっちゃ履き潰すやん、まあ気に入ってくれたんなら良かったけど」と言って、また買ったけど履けなかった新品の靴をもらって京都に帰る。私は彼が履けなかった靴を履いて、そのやりとりを思い出したり、次に泊まりに行く時の事を楽しみにしながら、街を歩いている。
12/ 2024