
冬の軽井沢、自宅のベンチ
奥山由之監督の『AT THE BENCH』を年末に劇場で観ました。全5話のオムニバスになっているのですが、まず広瀬すずと仲野太賀の出演する1話目のエピソードの義理という言葉の使い方がいろいろ巧かったのに感心しました。3話目は、僕が元々ファンの根本宗子の脚本で、今回も好みなテイストでした。今田美桜・森七菜のふたりが仲が悪いんだかいいんだかの姉妹を演じるというのがなかなか贅沢な組み合わせで、この上ないキャスティングだったのでは、と。言ってしまえば、雰囲気の映画なのだけど、ある種写真のようだともいえる雰囲気の映画をこのキャストで実際に撮れてしまうのが奥山由之という人で、ただし自信で脚本を書いた第四話ではそんな世界線を少し壊そうとしていたのかもしれないなとも思って、そこもまた面白かったです。