
実を言うと、ここ数ヶ月前まであまりインテリアにこだわりがなかった。アトリエはドレスを作り出すための空間でしかないので、作品が美しく作れればアトリエが散らかってても全く気にならなかった。自宅はパートナーが管理してくれているので、散らかさないようにだけ気をつけている。
昨年末に、アーカイブ用倉庫兼スタジオの一軒家を手に入れた。郊外にあるのであまり来客はないが、いずれスタジオヴィジットなどもできたらいいなと思っての決断だった。以前からアトリエでのポートレイト撮影は何度もしてきたが、いつも散らかっているところを隠しながらなんとかやり過ごしてきた。しかしこれからはスタジオを自信をもって公開できるようになりたい、その意気込みからピンタレストなどでインテリアのリサーチをし出したのが昨年末である。かっこいいモデルルームのような部屋は味がなくて興味がない、スタイルで言うとスペインのapartamentoマガジンに載っているような唯一無二の個性的な空間に憧れている。絵画のキャンバス作りの延長で、家具作りも試してみている。このいつか取材される日を夢見て、日々インテリアコーディネートを工夫しているところだ。