
私にとって唯一無二のインテリアは、うつわです。京都で茶道具屋を営む家族のもとに生まれたので、小さいときから身近に茶器やうつわがありました。そして母も、うつわが好きで、実家では毎月、季節ごとの陶磁器や、お花が生けられていました。大人になり、私も毎年様々な都市や国を訪れるようになり、その土地ならではのうつわや、ときには陶磁器のアート作品を買い求めるようになりました。それらを季節ごとのお花と一緒に飾って楽しむのが大好きです。ウズベキスタンのマーケットで見つけたお茶碗や、伊豆の射的であてた陶器の羊、メキシコで見つけたアイスキューブ入れから、アストリッドオリビアの水柱など。なかでも一番大切なうつわは、生前大変お世話になった黒田泰蔵さんの白磁です。ものにまつわるストーリーを愛でることも、アートやうつわを楽しむ醍醐味のひとつだと思います。