
キッチンの椅子 15年ほど前、雑誌の企画でDIYしたスツール。少し歪みがあるし、座面は小さめだし、だいたいリビングの隅に置かれて植物を乗せたり、本を積まれていた。私は引越しが割と好きなので、引越しのたびに、少し躊躇する。このスツールいるか?まぁでも持ってくか!という感じで、ここまで生き延びた。そしてここ数年、カウンターキッチンというのか、キッチンからリビングが見渡せる間取りの家が続いていて、キッチンで台本を読んだり、ひとりご飯はササっとキッチンで済ませることも増えて、この椅子の住所もキッチンになった。朝はご飯が炊けるまでの間、この椅子に座りキッチンでコーヒーを飲んだりしている。煮込み料理は、この椅子で読書しながら見守ったりしている。娘は自室から「母ちゃん〜どこ〜?あ、またこのお気に入りの場所か。」という感じで、家の中でも私の居場所になったのだ。帰宅して一息つか場所もここ。家族が寝静まって一息つく場所もここ。いつのまにか、私にとって特別な椅子になっていた。