
最近、ジャン・ディベッツのマルチプル作品を額装してもらいました。
マルチプル作品とは、大量生産された美術作品のこと。つまり美術作品ですが「唯一無二」ではありません。美術について文章を書く仕事をしているけど、どうも美術作品を家に飾って置物や壁紙のような「インテリア」にしてしまうのに個人的な抵抗感があったのですが、マルチプルならなんかいいかも、というわけで、額装は秋田市の文園堂さんのご主人と相談してフルオーダーに。結果的に唯一無二。
この作品は、オランダのコンセプチュアル・アーティストであるディベッツの「Perspective Correction(遠近法の修正)」というシリーズのひとつ。制作当時、アートにおいて写真は、、ランド・アートやパフォーマンス・アートなどを記録する手段に過ぎなかった受身な存在でしたが、本作は、逆に写真だからこそできる整然とした混乱を能動的に作り出していると思います。