
友人の人となりや状況によって何を贈るかは180度変わると思いますが、それはさておき、他人の本棚に置いて帰りたい本というのは存在します。本棚へのヴァンダリズムでありながらもギフトとしての側面も持たせるには、やはりハード面も重要な要素になってきます。とすると、まず思い浮かぶのは Susan Sontag の『Notes on Camp』(Penguin Modern) かなと。ミュージアム・ショップで手に入るし、ページ数も全64ページとアクセスしやすい薄さ。ささっていても一見気づかないくらいの、ちょうどいいサイズ感。和訳は『反解釈』(ちくま学芸文庫)に収録されているので、そちらと併読するもよし。誰かにとっての趣味や感性の領域である本棚に、”キャンプ”のスピリットを潜ませることを楽しむという目的で、知らんふりして贈りたい一冊です。