化粧品の瓶や口紅って、どちらかというとおしゃれの裏方というか、見せるためにあるアイテムではなくて準備の時に使うアイテムであるにも関わらず、どうしてその形だけであんなに心をときめかせる力があるのでしょうか。特に昔ながらの繰り出し式の赤い口紅の形は、おしゃれの要のような役割を担うからか、小さい頃に憧れたせいで大人の証という感じがするのか、引くだけで女になるという印象があるからか、それを鞄にひそませるだけで、気持ちが浮き立つ気がします。だから友人でもあるデザイナーが展開する mika jewellery (ミカジュエリー) のポップアップで Lipstick ピアスを見た時には、これは私のためのピアスでは?と思うほど運命的に思えて、迷わず赤を選びました。透明感と赤の深みの両方を感じるラボグロウンのルビーとつやつやのオニキスが、大人の証拠である口紅のイメージにぴったりで、服が真っ黒で地味な時でも華やぐのが嬉しい。片耳用のシングルピアスなので髪型によって左右どちらの耳につけるか考えたり、その後買い足した唇をかたどった Lip ピアスと組み合わせてつけたりして楽しんでいます。不思議なのはこんなに小さいジュエリーなのに、安物のピアスはいつも一週間でなくしてしまう私が、キャッチも本体も一度もなくしていないこと。ジュエリーの持つオーラかもしれないし、本当に気に入ったものを一つ持つほうが、適当に選んだものを十個もつよりも長持ちするということなのかもしれません。