これは尊敬する大先輩である金工家・長谷川まみさんが作られたもの。このアクセサリーを身につけていると、必ずといっていいほど褒められる。
ご主人である長谷川竹次郎さんとまみさんのご夫妻に私は24歳のときに出会い、金槌を握ったこともなかったのに無謀にも会社を辞め、金工家を目指したのであった。衝動だった。
まみさんの鋭い感性と確かな技術、そしてそれを崩せてしまうユーモアの結晶のような南鐐のアクセサリーたち。それと同時に古代を彷彿とさせるような、普遍的な美しさがあると思っている。
私にとってこれは御守りでもある。
まみさんや竹次郎さんに恥ずかしくないように生きていきたい。二人がずっと先を走り続けておられるから、私は手を止めることなく、ただひたすらに追いかけるしかない。そんな存在に出会えたことは私の人生の大きな糧だ。
日々、まみさんのアクセサリーを身に纏い、背筋を伸ばし、目の前の仕事に邁進することができている。それがとてもうれしい。