今年6月、アーユルヴェーダのリトリートツアーでスリランカへ行った際に購入したもの。スリランカは宝石店が多く、特にブルーサファイアが採れることで有名だ。アーユルヴェーダに紐づく占星術に宝石療法があることも関係して、宝石を購入できる機会がスリランカ旅行ツアーに組み込まれていることも多い。
私はそこまで宝石にテンションが上がるタイプではないため、今回のツアーで立ち寄った宝石店も、付き添いで来てますんでというスタンスで店内を見ていた。同行者のみなさんが目を輝かせてるのを見たり、最近のスリランカではどんなデザインが主流なのかな?とショーケースを点検したりと楽しく過ごした。
そうしたらこのリングとバッチリ目があってしまった。
アクアマリンは3/25生まれの私にとっては誕生石。あと1週間生まれるのが遅ければダイヤモンドだったのに、なんでこんな可愛らしくて儚げな石が誕生石なんだと、幼い頃から残念に思っていた。けれどもこのリングには、そういったアクアマリンの印象(長年の思い込み)を払拭してくれる強さがあった。
いいなーと思っていたら宝石店の男性がスススと寄ってきて、猛烈にすすめてくる。お値段35万円(たしか)。ちょっと私には分不相応だったので、25万なら買うよと言った。35万を25万に値切るという行為、日常生活ではそうそうないのだけれども、つい、過去にインドでバックパッカーだった血が騒いでしまった。これは持論だけれども、値切る時はかなり大胆な値を最初にお伝えしたほうが間違いなくうまくいく。
このときの私は「何がなんでも欲しい」というより「ご縁があれば欲しい」という意識を持っていて、さらに「25万までしか出さない」と決めていた。宝石店の男性の提示額も「32万でどうか」「29万でどうか」と食い下がっては来てくれたが、じゃあ29万で手を打ちますか、とは気分的にならなかった。岩のような自分を前に根負けしてくれ、結果、25万で買うことができた。
スリランカという神秘的な場所で、自分の意思で手に入れたはじめての誕生石。値切ったとて高価なことには変わりないが、自分のものになってしまったら他の指輪と同等にカジュアルに使ってしまうのであった。このリングがノーブランド品であるということも私にとっては意味深い。ラグジュアリーブランドのイメージを纏っていない、ただ石とデザインだけがそこにあるリングというのが、アノニマスな感じで気に入っている。
写真が手持ち無沙汰に感じて愛用のハサミを持ってみたのですが、ハサミに深い意味はありません。