娘がまだ小学校に入る前、友人に誘われて奄美大島へ旅に出た。身内と離れて五日間を過ごすのは初めてで、参加した子どもたちの中でも最年少。未就学児は娘ひとりだけだった。
それでも、生き物が大好きな娘は、イルカとクジラに会いたいという思いだけを胸に、親の心配をよそにパンパンのリュックを背負い、あっさりと出発していった。
五日後。空港で迎えたとき、「ママ、イルカにもクジラにも会えたよ!虫も捕まえたよ!すっごく大きな虹も見たの!」と、伝えたいことが溢れすぎて言葉が追いつかない。唐突に手に握っていたネックレスを「ママに作ったの!あげる!」と言って飛びついてきた。ぎゅーっと抱きしめると、五日間の冒険で勇ましくもあり、煌めいた娘の心が、じわりと伝わってくる気がした。