初めて彼女を認識したのは『BEASTARS』の第一巻が発売された時。
あまりの面白さにひっくり返った。
巻数が増えていく中で、もしかして年が近い…?と思い始め、それは
彼女が初めて出したエッセイ『パルノグラフィティ』で確信する。
「あー私は何者でもないんだマジで」と思った。
尊敬は拗らせると愛になり、彼女にとって芸能界の初めての友達は絶対私がいいと思った。
なんと図々しく思い上がった発言だと思うだろうか。違うの。
芸能界にはまさに世間が思い描くような芸能人もいる。
自宅で寿司職人を呼んだパーティーとかバーキン20個あるとか別荘に馬いるみたいな。
否定も批判も全くなくてむしろ羨ましいが、彼女が初めて出会う芸能人は、T ポイントを貯めていてスイカとスマート EX を紐づけられる私であって欲しかった。
友達になりたいけれど出会う術がない。
その頃、自分で書いた歌詞で歌いませんか?というお仕事が来た。
歌なんか歌えないのにお引き受けした。
彼女と友達になりたいという歌詞を書いて歌った。巡り巡って思いが届けと思った。
翌年、彼女は自著の対談オファーを引き受けてくれた。
寄稿までしてくださった。
その場で LINE を聞く勇気がないことを見越して ID を記入した手紙を書き、編集部さんに渡してもらった。
すぐに「M岡さんの LINE で合ってます?」と連絡をくれた。松岡を濁してあって笑った。
ぱるちゃんと私には、似ているところがいくつかある。
食べ物が好きなところ、怒りのエネルギーで生きているところ、腹が立ったらぶちまけないと鎮火しないところ。
「旅行するとよくおもちゃの指輪を買っててー」とくれたお揃いの指輪は、
毎日見るキッチンに飾ってある。今も、ものすごく尊敬している私の友達。