やるせなさは、よく私のもとを訪れる。
正直、そんな時に逃避の手段として映画の力を借りることはあまりない。
映画は、良くも悪くも自分の日常を大きく左右するからだ。
というより、映画鑑賞とは、自ら影響を受けに行く行為だと言ったほうが正しいのかもしれない。
特に気分が落ち込んでいる時は、その感情を余計に加速させてしまうことが多い。
だったら気分の上がるものを観ればいい、と思われるかもしれない。
けれど、あまりにハイテンションな作品は、それはそれで空元気になってしまって、あとからどっと疲労が押し寄せてくる。
そんな時の対処法は、大声で歌うくらいしかないと思っていた。
けれど時折、私の中のそんな常識を変えてくれる映画が訪れる。
その一本が、Booksmart だった。
華やかではない青春を送り、不器用に生きてきた人間だからこそぶつかる壁。
出会えなかった絆や、経験できなかった時間。
自分とはまったく違う人生のはずなのに、なぜか自分のことのように悔しくて、おかしくて、愛おしい。
家のベッドの上で、しょっぱくて油っぽいポップコーンを片手に、だらけた姿勢のままの、そんな自分をも受け入れてくれる。
映画は劇場で観るものだと思っていた私にとって、それは新しい映画の味わい方だった。
こんな作品に、もっと出会いたい。