喫煙者が「口寂しい」感覚で、私はよく「手寂しい」状態に陥る。けれどペン回しは不器用ゆえに出来た試しがないし、手ドラム(手でリズミカルに机を叩く行為)するにも音楽的素養がないのでスッキリできない。そんなはぐれ者にはフィジェットリングだ。左手の人差し指に装着して、親指で遊ぶ。電気のスイッチのようなものや交通量調査のカウンターのようなもの、さらに64のスティック的なものまで六面もステージがあるので無限に左手の面倒を見てあげられる。私のイチオシは「指より少し小さい窪み」。他のところをカチカチガチャガチャグリグリ散々やった後にこの窪みただなぞると、心がとても整う。長谷部誠さんもきっと整うはずだ。
11/ 2024