鍋

この頃寒くなってきたから、いや、寒くなるだいぶ前から、ずーっとずーっと鍋ばかり作って食べている。毎晩はくさい葱にんじん水菜をざくざくと切って、無水鍋に放り込む。しいたけと、豆腐と、鶏肉も入れる。じゃがいもと大根は気分による。ともかく食べたいものをどかどか入れて火にかけておけば、いつの間にかおいしい水炊きができている。それを主にごま油と塩、それかぽん酢、ときにはキムチや、豆乳と鶏がらスープの素なんかで味をつけ、はふはふと湯気をはきながら食べる。ジャンクフードや甘いケーキのそれとはまたべつの、鍋でまんぷくになる幸福というものがこの世にはある。