
娘が生まれてしばらくは、深夜に人知れず呼吸が止まってしまわないかとても心配で、マットレスの下に敷くベビーセンサーを常につけていました。赤ちゃんの呼吸の動きを感知して、それが止まるとアラーム音でお知らせしてくれるというものです。それでも、もしかしたら機械の調子が悪いかもしれない、電池が切れたかもしれない、と気になって、夜中に何度も娘の顔の近くに耳を寄せて、か細い呼吸音を確認しました。赤ん坊は驚くほどのスピードで成長します。病院から自宅に来た時に2.6キロと少しだった娘は今9キロを超えて、声も呼吸も日々力強くなってきました。いつしかわざわざ口元で耳を澄まさなくとも、娘の力強い寝息はよく聞こえるようになり、私は寝返りの度に誤作動を繰り返すセンサーを付けずに隣でよく眠れるようになりました。今でも自分自身、深夜にふと目が覚めると、娘の規則的で時々いびきも混じるような逞しい寝息にしばらく耳を傾けて、安心してまた眠りに落ちます。