
共感してくれる人がいないのだが、夜、目を瞑り、眠りにつくかつかないかの時に、脳内で音が鳴り響くことがある。それは音が洪水しているかのように、子どもの笑い声がリフレインしたり、雨で濡れたアスファルトを車が走っていく音がしたり、効果音が一定のリズムで刻まれたり。ザーザー、シャンシャン、ピッピッピッと色んな音が重なりあって、端的に言うとノイズが脳内に流れる。そのまま眠りにつくときもあるが、ハッと目が覚めてスッと音が消えることもある。人は寝てる間に記憶を整理していて、その時に見るのが夢だという話を聞いたことがあるが、私は視覚ではなく、聴覚で記憶を整理しているのかもしれない。ノイズ体験と言えば、大学生の時に京都のクラブメトロでMerzbowと山本精一のライブを観た時に、あまりの轟音に頭がおかしくなりそうになりながらフロアで我慢していたら、スピーカーから音が出てるのではなく、音の粒子が空気中に浮かんでる、、と感じたことがある。それはホワイトノイズが聴こえたってことだよと誰かに教えてもらった。脳が拒絶するほどのノイズを聴いた(というか浴びた)体験が、今だにトラウマとして残っているのかもしれない。あまりにもこの睡眠前の脳内ノイズ症状に共感してくれる人がいなかったが、ビートメイカーのLapaluxがLustmoreというアルバムで、睡眠状態に入っていく時の経験をテーマにしているという記事を読んで嬉しくなったりした。ただ、楽曲として近いなと感じるのは「The Return Of Fenn O’Berg」かな。こんなことを書いていたら、実際にちょっと音に出してみても面白そうだなと思ってきた。誰にも理解してもらえなさそうだけど。