私が心に残る本として紹介するのは日高敏隆さんの『ネコはどうしてわがままか』という本である。この本は様々な生き物の謎や生態を分かりやすい言葉と視点から解いていく、子供から大人までの生き物に対する好奇心の1歩目のような本である。
たくさんの生き物の話の中で今回紹介したいのが、ウグイスについての話である。
ウグイスといえば「ホーホケキョ」を連想する人が多いと思うが、あれはウグイスにおける縄張り宣言とメスを呼び込む手段である。
よく個人的に生き物の求愛や生殖と人間のそれを結びつけて考える事がある。今回ウグイスに関しては「ホーホケキョ」という鳴き声がいわゆる人間における歌が上手い、話が上手いに近いのではないかという事。人間の耳ではあまり判別できないかもしれないが、多くのメスが寄ってくる(モテる)ウグイスの「ホーホケキョ」はさぞ美声もしくは聞こえやすい、上手いのだと思う。これは人間界でも照らし合わせやすい事だと思う。
あくまで自論であるが、世界には多くの歌手がいて、歌が上手いというのはそれが魅力に直結する。他にも普段の会話において、話が上手い人というのは人間関係の構築が上手い。
このように人間界にも「ホーホケキョ」は存在し、ウグイスとも決して違わないと思う。
このように様々な生き物の謎や生態を人間と結びつけ、比較しながら読んでみるとまた違った気づきが見つかる。そんな気づきを得た一冊。