個人事業主にとって3月は確定申告の時期。毎年この時期になると気持ちが荒んでいた。2023年の3月も例年通り荒んでいた。中学校の同級生で今では立派な社長さんになった友人から、京都に帰ると連絡があり久し振りに会う事になった。確定申告の報告をすると「あなたのビジネスに足りてないのはサイエンス」と説教された。つまり、科学的に数字や状況を見て、もっとちゃんと考えて経営をしなさいという事だった。それでオススメされたのがこの本だった。商売を始めてから今まで、お店や事業に対して想いを持ってやってきたし、特に無駄なお金は使っていないつもりだったがあまりにも徹底されていなかった。毎年3月の憂鬱で荒んだ気持ちは自ら招き入れていたのだと深く反省をした。そして、経営ってこんなにもたくましくて面白いものだったのかとも思った。まだまだ知らないことや気付けてないことはたくさんあるだろうけど、2024年は晴れ晴れとした気持ちで春を迎えた。
『稲盛和夫の実学―経営と会計』
稲盛和夫(日本経済新聞出版)