ル・コルビジェの建築を見るために、かねてから訪れたいと思っていたチャンディーガルに思いきって飛んだのが2018年の9月だった。都市の北に位置する場所にその建築群がある。その土地の気候や風土の諸条件を解決することで、こんな造形に至るだろうか?建築なのに、まるで大きな彫刻。圧倒的だった。
インドの過酷な日差しを考慮した、風が抜けるよう設計された傘のような屋根、深い庇。垂直性を示す鮮やかな大柱。空間を斜めに切り取る長大なスロープ。個々が極めて個性的な集合体であるのに調和している不思議。ロンシャンの教会を見たときも同じことを思った。
チャンディーガルのキャピトルコンプレックスはル・コルビジェの都市計画が唯一実現した都市である。高等裁判所や議事堂、市庁舎。行政機関が今も現役で機能している。
久しぶりに写真を見返してみたが、竣工して68年経った今も、まだ驚く。まだ新鮮。
そしてインドのあの日差し、湿度、匂い。帰国時にはさすがにうんざりしていたが、やっぱりまたすぐに恋しくなる。
10/ 2024