芸人にとっての日常、つまり生活。 舞台の上、カメラの前、照明の下、ふつうに考えたら非日常が日常。 全国にある劇場へ出張していく内に減っていく”移動欲”。 他業種の知人から貰うお土産がかさんで行く。それに対するお返しはネット注文。 そんな私の旅先は「頭の中」で、出発地は「シャワータイム」だ。 生活の象徴たる衣服を脱ぎ捨て、暖かい水に肌を預けると、視覚も聴覚も奪われ意識が脳内に集中していく。 そして非・ルーティンな毎日、大量の初対面、追うべきコンテンツたち、パンパンに詰まった1日の経験を燃料に飛び立っていくのだ。 出来事や感情が整理されて、どんな列車や機体に乗っても辿り着かない場所に向かうことができる。 起きながら眠っているような感じだ。 渡航費はガス代と水道代だけ。これから寒くなってきて跳ね上がる。ショートトリップが増えるだろう。
10/ 2024