
私の秘密というか特別好きな場所は幼馴染の住んでいる6〜7畳ほどのアパート。小学校からの友達3人組で小学校卒業以来3人で集まることは無かったが、大学に入ったタイミングで不意に連絡をとり、久々に会った。10年弱ほどの年月が産んだ恥ずかしさや気まずさは小学校時代の懐かしさと仲が5分ほどで拭い、気づけば週2、3日はそのアパートに集まっていた。何をしたかも何を話したかも覚えていないが、どうしょうもなく楽しい時間を過ごした。年末年始は決まって、3人アパートに集まり、飯以外は外に出ず、4,5日滞在し、気づけば解散し、「なんもしなかったな」と口を揃える。そこがまさに私にとっての秘密の場所。時間が消える、時間が溶けるという言葉があるが、ここまで使用に適した場面は無いと思っている。
話す内容は小学校時代と変わらずとも、体格は3人とも成長し、いい年の男3人が集まるには狭いアパート。家具やモノや男の趣味が多く、3人で川の字になって寝ると、寝返りはギリギリ打てない。ただその部屋には言葉にできない居心地の良さと依存性がある。楽しいことが確約された3人ではあるが、その確約にはこの秘密の場所の存在が欠かせない。