
行きはよいよい帰りはダルい。
新大阪ではゆったりと降り、見慣れない看板を眺めたりなんかしているのに、品川に戻った時はT-1000みたいな顔して最短で改札に向かう自分がいます。
液体金属を活かしたキセルはしませんが、降車者たちの先頭で港南口を抜け、タクシー乗り場へ続くエスカレーターを降りていきます。
さあこれで一安心と思いきや現れる大行列。
「他の帰京組は置き去りのはず、まさか東京駅から一駅だけ乗ってタクシーへ?何の目的が?そうか雨か、雨のせいで配車アプリが機能しなかったのか。だから少しでも可能性の高い駅のタクシー乗り場を選んだんだいや晴れている、すんごい晴れている。雲の量が1割を切っているので快晴れている。どういう意味。すごいタクシーが流行っているのか?『オッドタクシー』の影響?いや『TAXi』?いや『TAXi』アメリカ版?いやまさかカーズ2ーーー?」
なーんて慌てる方もいらっしゃるんじゃないですか?
僕は最初はそうでした。もう大丈夫、安心してください。
エスカレーターを降りて右に曲がり、ぐるっと回って「港南ふれあい広場」に向かってくださいな。
アプリを使い、そっち側の場所に呼べば全て解決、行列とはオサラバってわけですわ。
そうやって完全勝利を手にすると、不思議なもんです。
あんなに最速帰宅を目指していたのに、「やっぱりお腹空いたかも?」なんて気も湧いてきました。
そんな時はこの「富士そば」。移動で疲れた身体に染み渡るツユ、出張先での暴食で荒れた胃を癒す蕎麦。
食べ終える少し前に配車すれば、お盆を返して楊枝を手に取り、颯爽と乗り込むことができるのです。
運転手さん、好きに走っちゃってください。そう言いたくなりますが、絶対に言わないほうがいいですよね。