メキシコでは今日、先祖や亡くなった人々を想う「死者の日」。
床一面に飾られたマリーゴールド、繊細な装飾が施された蝋燭、この時期になると菓子屋に並ぶ甘いパン、骸骨や髑髏を模した紙細工、そして故人が好きだった飲み物を供えた祭壇が、街のあちこちに立ち並ぶ。
メキシコのアイコンである骸骨、デザイン化される以前には祭壇に本物の髑髏を飾っていたと言われている。ユカタン州のある地域では、今も死者の日が近づくと、墓から骨を取り出して磨くという風習が残っていると聞いたことがある。
死を想い、生を祝うこの日。
「もし違う人生を送っていたら」と想像したことはないけれど、死んだあと、私はどこへ行くのだろう。この世に残った家族や友人たちに向かって、亡き身で手を振ったり、元気かい?と声なき声で問いかけたりすることができるのだろうか。