なれるかどうかは別として、向いているかどうかも別として、今でも憧れてしまうのは学芸員だ。大好きな美術館で、そこの一員として作品を守り、ときにキュレーションやワークショップの企画、図録の制作協力などもできたら最高である。
その際は仕事とプライベートの時間をはっきりと区切りたい。休みの日は図書館や美術館、映画館に行き、喫茶店で本を読み、自分と大切な人のために料理を作り、ときに気心知れた友人と食事に出かける。旅もしたい。間違っても学芸員 YouTuber みたいな、自分のキャラを世間に公表するようなことはせず、SNS のアカウントには鍵をかけ、Georgia O’Keeffe (ジョージア・オキーフ) のようなファッションで過ごし、自分でも絵を描く。住まいは浅草や清澄白河だろうか。
原美術館、清里現代美術館、東京都現代美術館、DIC 川村記念美術館のような、これまで好きで通ってきた美術館に思いを馳せつつ、巨大な名門美術館もいいなと思う。しかし私はじっと座っていると眠くなってしまうし記憶力も悪い。「もし違う人生を送っていたら」というよりは「もし違う人格を持っていたら」みたいになってしまったが、夢物語を語ってみました。