昨年末ドーバー ストリート マーケット銀座で購入した、ラフ・シモンズのアーカイブのニット。2014-15年秋冬ランウェイで登場した、アメリカ人アーティストのスターリング・ルビーとのコラボレーションによるデザイン。ちょうど来日していたラフ・シモンズ本人に「こんな小さなタグに…?」と呆れられながら、サインをしてもらいました。
言うまでもない。ショッピングだ。
失敬、当たり前のことすぎて主語を抜かしてしまった。自分を甘やかすモノの話だ。
ショッピングは、良い。まず、目的のものに辿り着くまでのプロセスが良い。例えば洋服の話でいえば、ファッションウィークで発表された新作を現地で (もしくはオンラインで) 見て、デザイナーがどんな想いでデザインしたのか思いを馳せる。展示会で実際に手に取り、試着し、着心地を確かめる。手持ちの洋服を想像しながら、この洋服があったらどんなスタイリングをして、どこに行くか想像する。この時点で、すでにかなり自分を甘やかしている。
実際に購入する行為も、そのプロセスに等しく尊い。お目当ての商品がどこでも手に入るとは限らないことが多く、事前に入荷情報を確認することもある。そして実際に入荷していても、よく見るとショーで見たサンプルと若干デザインが変わっていることもある。もしくは、ショーで発表されてから半年というブランクで、気分が変わっていることもある。こうした数多の障壁を乗り越え、運命の一着に巡り合ったときの感動は一入だ。AIがこれだけ普及した現代において、これほど効率の悪い作業がほかにあるだろうか。自分を甘やかすことにストイックすぎて、もはや修行だとすら言える。甘やかし道。
こんな調子で、気づけば身の周りが自分を甘やかしたもので溢れている。物質的なものに執着することが浅はかであるという風潮があるが、知ったことではない。これからもマテリアル・ボーイとして、自分を甘やかし続ける所存だ。