映画とは全く関係ないが、エル・ウッズが持っていそうなバッグ。ゲラルド・フェローニによるロジェ・ヴィヴィエのもの。さすがに“ハッピー MAX”すぎるので、まだ4回ほどしか使えていない。
好きな映画の話は苦手だ。特にファッション業界は映画に精通した人が多く、下手にメジャー作品の名前なんて挙げた日には、あからさまに侮蔑の目を向けられるようなきらいすらある。やや被害妄想が混じっているとは思うが。
一応の対策は講じてきた。メジャー、インデペンデント問わず話題作はなるべく劇場で鑑賞。往年の名作と呼ばれる類も、可能な限りストリーミングにあるものは試聴。特にファッションデザイナーが影響を受けた作品と聞けば、わざわざパソコンに外付けする DVD プレイヤーを購入してまで観てきた。
そんな前置きをした上で、胸を張って宣言する。私がスカッとしたい時に見る映画は『キューティ・ブロンド』だ。
メジャー中のメジャー作品なので、臆することなくネタバレをしようと思う。本作の魅力は、何といってもリース・ウィザースプーン演じる主人公のエル・ウッズの痛快なキャラクターに尽きる。
ビバリー・ヒルズの豪邸で過ごし、日がな一日ショッピングとパーティー、そしてデートに明け暮れるエル・ウッズ。「ブロンドすぎる」という謎の理由で最愛のボーイフレンドにフラれるも、「ハーバード大学に行けばヨリを戻せるんじゃない?!」とさらに謎のセオリーで一念発起して受験に挑むエル・ウッズ。受験に際して制作したビデオエッセイで、ビキニでプールに横たわりながら、前日に観た昼メロのあらすじを解説し、なぜか合格を勝ち取るエル・ウッズ。研修で参加した裁判で、原告側の証言を「ノンケの男がプラダのシューズを判別できるはずがない!」と、今の時代であればポリコレ的に一発アウトな発想で棄却に追い込むエル・ウッズ。しまいには学生なのに法廷に立って、法律の知識ではなく、おしゃれに関する知識で一発逆転勝訴を勝ち取るエル・ウッズ。破茶滅茶すぎるよ、エル・ウッズ。最高だよ、エル・ウッズ。
もちろん、他にも好きな映画は数えきれないほどある。だがしかし、『キューティ・ブロンド』からしか得られない栄養素のようなものがあるのも確かだ。世界情勢が不穏な昨今、ほんのたまにはとびきりファンシーで、キューティーで、ファニーな映画を観て現実を忘れてスカッとしたいものだ。オードリー・ヘプバーン主演の映画『パリの恋人』でも、ケイ・トンプソンが歌っていたではないか。「Think Pink! (ポジティブに考えよう)」と。あ、こっちを挙げた方が良かったかな……