僕が圧倒的に好きな映画があって、コーエン兄弟の『ビッグ・リボウスキ』。
仮に人生を映画に例えるなら、こんな人生がいいなと思える一本なんです。常にユーモアに溢れていて、細かい伏線も散りばめられていて。映画好きがクスッとできるポイントもあれば、初めて観る人も「めちゃくちゃふざけてるな、この人たち」って素直に楽しめる。どんな人が観てもきっと面白いんですよ。
日本に帰ってきて、最初にできた親友と食事をしていたときに、「コーエン兄弟で何が好き?」って話になって、二人とも『ビッグ・リボウスキ』って言ったんです。「え、観たことないかも」「観たことないの!?」ってなって、その日の夜に DVD を買って観ました。それが出会いでした。
ちょっとしたセリフの端々や、登場人物一人ひとりのキャラクター作りが本当にすごい。洋服を作るときも「この服のキャラクター、もう少しこう立たせたいな」とか、1個1個の品番にどうやって命を吹き込むかを考えるようになったのは、この映画を観てからだと思います。自分がいいレールに乗れていないなとか、少し方向がズレているかもって感じるときに観たくなる、寄り添ってくれる映画です。