ひとつのものに偏るのは子どもの頃からの性格で、ハマると抜け出さない傾向にある。
価格帯にも寄るが気に入ったご飯屋さんはお店の人がちょっと引いちゃうくらい通うし、この前紹介したボールペンを切らすとちょっとパニック。
そんな私が愛してやまないのはスタジオジブリ『魔女の宅急便』。
主人公のキキも色々あってもちろんつらいし切ないのだけれど、目を覆いたくなるような場面というのはあまりない。私にとってエンタメはそういうのがいい。劇伴も大好きで、とある日のこと。靴擦れしても歩き続けなければならず、雨も降ってきて、風も強くて、寒くて、いやなこともあって、考えないといけないこともあって、まあまあズタズタだった日に、上着か靴を買おうとデパートに駆け込むと「大忙しのキキ」が流れていた。子どもの頃からセリフを覚えるほど観てきた映画だから、短いなりに存在した人生の局面を思い出してこみ上げてしまい、トイレに駆け込んだ。私がんばっているか、私がんばっているのか、と、初めて自分の荷物について、俯瞰で見つめられた体験だったと思う。
その時も今も、キキもジジもトンボもおソノさんもニシンのパイが嫌いな孫娘も、私のそばにいて例えるなら RPG のパーティのようなもの。
けっこう、堪えたなと思うとき私はいつもあの街に行く。