スカッとしたい時に見る映画、というものが特別にあるわけではない。 アクションでもコメディでも、気分が晴れる時は晴れるし、そうでもない時もある。
ただ、映画館に行くこと自体が、気分を変えるトリガーになっている。 スマホを見なくていい。誰かに返事をしなくていい。 暗い部屋の中で、ただ前を向いて座っていればいい。
特に地方の映画館で映画を見るのが好きだ。
鳥取や山形でも映画を見たことがある。思い起こせば、福井、香川、静岡でも。
せっかく旅行に来ているのに、食事や観光ではなく、どこでも見られる映画をその町の映画館で見ようとする自分が特異だと思う。たぶん、観光地や名物ではなく、暗い映画館の座席からその町を紐解こうとしているのだろう。
映画館に入ると、その町の住人に参加したような錯覚があって面白いのだ。
鳥取の映画館は今どき指定席ではなく、そういうゆるさも心地よかった。
映画館を出ると、来た時と同じ町のはずなのに、解像度が少し変わっている。
見ていたのは映画のはずなのに、残っているのは作品そのものより、その町との距離感だったりする。