私はうつわの好みがかなりはっきりしていて、アノニマス・デザインというか、機能性や耐久性についてよく考えられた、工業製品的なものに惹かれる。若いころ柳宗理にハマった影響もあるし、デイヴィッド・リンチの映画に出てくるような、アメリカンダイナーでざっくりと使われるプレートやマグカップが好きというのもある。最終的に我が家のラインナップの多くを占めているのは、イッタラのティーマだ。
次いで多く所有しているのが、テト セラミックスのうつわ。友人でもある石井啓一さんの陶芸には、誰にも真似できない作家性がありながら、どこかアノニマス・デザイン、工業製品的な佇まいがある。コツコツ集めていて、こちらも毎日愛用している。ずっと同じ型を守ってくれているので(新しい型や色が出ることももちろんある)、買い足すことも自由にできる。
作り続けられているというのは大変な安心感だ。アーティスティックすぎるうつわだとそうはいかない。
どんな感情のときも、どんなライフステージにあるときも、どんなメニューを並べるときも、支えてくれるうつわがいいなと思う。イッタラとテト セラミックスのうつわたちは、もう10年以上食卓をともにしているが、まったく飽きることなく、寄り添ってくれている。これからもずっとそうだろう。
写真は、石井ちゃんが息子の名前を入れて焼いてくれたマグ。控えめに言って家宝のひとつ。