1878年創業の老舗化粧品メーカー「平尾賛平商店」。かつて業界最大手を誇った同社の高い開発技術を復刻させ、モデルであり現役歯科医師の加藤順子 (Instagram @_katojun_) がプロデュースしたもの。一見デンタルケア製品と気付かないさりげないパッケージデザインも秀逸です。
歯科医院といえば、多くの人にとって幼少期のトラウマを呼び起こす場所かもしれない。しかし私にとっては、どちらかといえば愛着のある場所だ。なにせ、父が働いていたからだ。
父が営む医院は、田園風景のなかにぽつりと建つコンクリート造りの建物だった。アーチ状の造りの待合室にブロックガラスを重ねた大きな窓を組み合わせた外観が印象的で、子どもながらにちょっとかっこいいと思っていた。学校が半休の土曜日には、ふらりと立ち寄っては待合室の雑誌を眺めたり、水槽を悠々と泳ぐアロワナに餌をやったりして過ごした記憶がある。
幼い頃から定期的に診てもらっていたおかげか、これまで大きな口腔トラブルとは無縁だった。虫歯になったこともなければ、歯列矯正の経験もない。この場を借りて両親には感謝を伝えておきたい。もっとも、この記事を読むことはないだろうけれど。
そんな父も近頃は、診療後の人生について語ることが増えた。どうやら引退後の時間を満喫する準備は万端らしい。それ自体は喜ばしいことなのだが、こちとら口腔ケアに関しては生粋の箱入り息子。いざ引退されたら、誰に診てもらえばいいのか。
(いや、普通に近所の歯科医に行けよ)
そんなわけで、今年に入ってからは日々のセルフケアを見直している。これまで習慣のなかったデンタルフロスや歯間ブラシも、ようやく生活に定着してきた。なかでも愛用しているのが「平尾賛平商店」のデンタルフロスだ。柔らかなマイクロファイバーが歯間に無理なく入り込み、使い心地がとてもなめらか。携帯しやすいパッケージデザインも気に入っている。
ところで、「親知らず」という名称は、その歯が生える頃には親がこの世にいないことが多かった時代に由来するという説がある。一方で、現代の日本は男女とも平均寿命が80歳を超える長寿社会となった。だからこそ、生きているうちに歯のことで親を心配させることのないよう、日々のケアを怠らずにいたいと思う。