これまであまり茄子という食材にフォーカスして生きてこなかった。茄子のイメージといえば、栄養があんまりなく油を大量に吸うためダイエットの大敵であるとか、皮を剥くのが面倒な焼き茄子は労力の割に一瞬で消えてしまうのでコスパが悪いとか、そういう。平たく言うと、あんまり私の人生には関係ない存在と思っていた。
しかしこの夏、トロなすのステーキを食べてみたら、あまりにも簡単でおいしく、すっかりハマってしまった。厚めに切って断面をオリーブオイルで焼き、粉チーズと味の素、こしょうを振るというもの。とろりとみずみずしく風味が豊かで、ワインが進む味。その後米ナスやいわゆる普通茄子でも試したところ、すべてが美味しかった。茄子って揚げ浸しや天ぷら、焼き茄子だけじゃなかったんだ(当たり前)。
先日大好きな編集者の友達とランチに行った折、穴子のフリットの付け合わせに茄子が添えてあった。結構しっかりと油を含んでいたのだが、茄子に対してすっかり甘くなっている私なので、喜び勇んで口に運んだところ、あまりの美味しさに悶絶。茄子は油をただ吸うだけじゃない!吸うほどに美味しくなる野菜なんだ!みたいな謎の思考回路に到達した。
年齢もきっとあって、若い頃はパリパリサクサクしたものが好きだったのだが、年齢を重ねて体内のうるおいを喪失しているためか、しっとりしたものが美味しく感じる。とろり、じゅわりのバリエーションを見せてくれる茄子のポテンシャルに、今しばらく身を委ねていきたい。
ちなみに味の素もここ数年で導入したものだ。私はアンチ味の素の家庭に育ったため、ずっとなじみのない存在であった。興味がなかったものが好きなものに変わるのって楽しいですね。