先月のコラムで、食に無頓着であると宣言したにも関わらず、今月も食べ物の話である。ファッションエディターなんだから、ファッションの話をさせてほしいものだ。みなさま、シャネルの2027年春夏コレクションご覧になりましたか?最高でしたよね。
今月のお題は最旬グルメということなので、最近いただいた中で特に印象に残ったものをいくつかご紹介しようと思う。上記カルーセルの写真と照らし合わせてご覧いただきたい。
一枚目は、9月に「ブルガリ ホテル 東京」の45階「ブルガリ バー」で提供がスタートしたピッツェリアでいただいた、「マルゲリータ DOP」。コンテンポラリー・ピッツァの名手であり、2019年に「50 Top Pizza」にて最優秀ピッツァシェフに選出されたピエール・ダニエーレ・セウが監修したグルメピッツァが、世界初の常設メニューで提供されている。70%以上の加水率と30時間の発酵、そして430度の超高温で焼き上げられるクラストは、表面はクリスピー、噛むほどもっちり、それでいて驚くほどエアリー。フレッシュなトマトとバジル、モッツァレラチーズのシンプルな組み合わせながら、ピッツァの奥深さに驚かされる。
ブルガリ バー
東京都中央区八重洲2-2-1 ブルガリ ホテル 東京 45階
絶望的に写真が盛れていないが、白い器に盛られた黄色いスープのようなものは、私がパリで必ず訪れるインドシナ料理のレストラン「オウ コワン ド グルメ」の看板メニューである「ノム・プロチョック」と呼ばれるスープ。ココナッツ風味のカレースープに、白身魚のラグーと米粉のバーミセリが入ったもの。細切りのズッキーニの小気味良い歯触りと、ライムの爽やかな香りが心地よく、何度食べても飽きない一皿。書きながら、また食べたくなってしまった……
Au Coin des Gourmets
38 Rue du Mont Thabor, 75001 Paris, France
夏のバカンスで帰国していた友人と訪れた、東銀座の割烹「離亭 三ぶん」。白木のカウンター越しに並ぶのは、魯山人をはじめ名匠たちの器たち。食事もどれも素晴らしく、フレッシュな海鮮、特におどろくほど大ぶりな岩牡蠣のミルキーな味わいといったら……気さくな女将の接客も心地よく、またすぐ訪れたい隠れ家だ。今気づいたんですが、私食べ物の描写が平易ですね……ファッションの話が、したいです。安西先生。
離亭 三ぶん
東京都中央区銀座3-11-7 石川ビル 1階
今年の8月に広尾にオープンした、モダンチャイニーズ「KAIFAN TOKYO」。手がけるのは、国内外のファッションブランドの広告キャンペーンやエディトリアルを手がけるYuann率いるクリエイティブエージェンシーのkidzfrmnowhere。写真はミートボール状の黒酢酢豚。下に敷かれたほうれん草のほのかな苦味が、肉の甘味と黒酢の深みのある味わいを引き立てる。コースだけでなくアラカルトでもカジュアルに楽しめ、オリジナルのカクテルも豊富。アクセスも良好で、業界人とのカジュアルなディナーにぴったり。
KAIFAN TOKYO
東京都渋谷区広尾5-2- 25 HONGOKUビル 3階
最後の写真は、先日取材で京都を訪れた際にいただいた、天保初年創業の老舗「菱岩」の折詰弁当。最近気づいたのだが、なんだかんだいって和食が一番好きなのかもしれない。だし巻き卵って、何であんなに美味しいんでしょう。それにしても、よくもここまで丁寧に仕込んだ料理を、これだけの品数揃えて、この小さな容器にこうも美しく収めるものだなと、日本食の豊かさに感心させられる。ビバ、日本食。
京趣味 菱岩
京都市東山区新門前通大和大路東入西之町213